野中光正展

2013.2.6(水)~ 2.16(土)
会期中無休 11:00~19:00

 かってこのギャラリーで発表した野中光正君の青春只中で描いたコンテによる下町風景の数々は残すべき時代の記念碑と言っていい。彼は、ここで昭和40年代の発展し変貌する東京の滅び行く下町風景を惜しむかのように描き記録した。その筆致には深い情感と優れた知性が読み取れたのである。
 その後、彼の知性は今回見るように具象から発生する線、面、構成とそのダイナミズムに興味が注がれるのは当然であった(その探求心の発露が今日の版画作品における知的で明晰な画面構成へと繋がって行く)。今展では彼の若き日の造形への飽くなき追求の跡を感受して頂ければ幸いである。

御子柴 大三

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